新卒や転職を考える20代にタクシードライバーがなぜ人気なのか

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新卒や転職を考える20代にタクシードライバーがなぜ人気なのか

タクシードライバーといえば中高年の転職先として選ばれることが多くありました。
しかし近年では、20代の若者が転職先や新卒でタクシー会社を選ぶことが増えているのです。
その背景には現代人らしい理由が潜んでいました。

現代における仕事との向き合い方と、タクシードライバーが人気になっているその関係とはいったいどのようなものなのでしょうか。

若者が仕事に求めるもの

高度経済成長期、人々は次々と登場する新しいものを手に入れるようになりました。
人と同じものを持つことがステータスであり、生活水準を上げていく目標のようなものだったのです。

経済は爆発的に成長し始めそのぶん仕事は忙しさを極めるようになります。
朝から晩まで働くのが当たり前のようになり、働けば働くほど豊かになると思われていました。
日本の経済は国際的にも地位の高いものになり、ますます仕事は増えていきます。

しかしバブルが崩壊した後、若者の仕事に対する姿勢や環境はがらりと変わってきました。
インターネットの普及により、仕事の場所さえも選ばなくなったのです。
自分の持っている能力で仕事を開拓していく、フリーランスな働き方をする人が増えてきました。
一方、就職氷河期でもありフリーターとなってしまう若者が増えた時代でもあります。

そんな風に若者の仕事の対する考え方は時代とともに変化してきました。
現代の若者は会社での地位や収入といったものに価値を見出すのではなく、自分自身が充実して暮らせることを重視するようになったと言われています。

仕事中心に生活するのではなく、自分の趣味や、やってみたいことを実際に体験したり、家族との時間を大切にするなど、プライベートを充実させワークライフバランスを重んじるようになったのです。
そのために、実際に就職してみたものの、プライベートの時間を取ることの難しさから20代で転職を考える人も増えてきました。
転職先には必然的にプライベートの時間を確保できる職場が求められるようになったのです。

タクシー業界の現状

タクシードライバーというと、どんな人を想像するでしょうか?
「経験豊富な中高年」そんな風に答える人は多いと思います。

実際タクシードライバーとして活躍する人の年齢層は一般的な生産業などと比べても高く、定年後の就職先としても人気だったことから層の厚い年齢層が高齢であるということは事実のようです。
まさに経験豊富な世代が多く活躍しているわけですが、実は若年層のタクシードライバーが育っていないという、業界全体が抱える悩みもあるのです。

若者のタクシードライバーが増えてこなければ業界全体の弱体化も懸念されます。
そんなことから、タクシー業界では新卒の採用枠を大幅に増やしたり、タクシードライバーに必須である二種免許の取得費用を負担するなど、さまざまなアピールポイントを増やして若手の獲得に尽力してきました。

新卒者にもタクシー業界への窓口が広まったわけですが、それにプラスして20代の若者にタクシードライバーが人気となったのには、先にもお伝えした“プライベート”というキーポイントがあるようです。

独自の勤務形態が人気の秘密に

タクシードライバーは24時間営業です。
そのため勤務形態は、朝から夕方まで勤務する「日勤」と、夜から朝まで勤務する「夜勤」それに加えて「隔日勤務」というものがあります。

「隔日勤務」とは、一日勤務をしたら次の日が休みという勤務形態です。
その場合の勤務時間は20時間程度で、3時間以上の休憩を取ることができます。
実はこの隔日勤務というものが、プライベートを充実させたい若者にとっては理想の働き方だったようなのです。

隔日勤務は1か月あたり11~13日までと決められています。
勤務した次の日が休みになると決まっているとはいえ、通常の休みもあるわけですから平日に連休を取ることも可能と言えます。
中には4連休といったかなりの連休を取得できる場合も。

趣味のレジャーやアウトドアを楽しむにしても、混雑時期に行かなくてすむといったこともメリットと考えられているようです。

プライベートな時間で若者が手にするもの

プライベートな時間が趣味を楽しむための時間だけとは限りません。
アーティストや俳優を目指す若者は、生活をするための収入を確保しながら練習を重ねたり、オーディションを受けたりライブ活動をするといった日々を過ごしています。
空いた時間をそれらに費やしているのです。

夢をかなえるために二足の草鞋を履かなくてはならない時期は本当に大変でしょう。
こういった若者にとってタクシードライバーの勤務形態はとても魅力的のようです。

平日常勤の一般的な職場では、活動範囲も狭くなり夢をかなえるにはかなりのパワーを必要とするでしょう。
その点タクシードライバーの3つの勤務形態はプライベートな時間を確保するための自由度があり、夢に費やす時間を有効的に作り出すことができます。

また、タクシー会社側でも積極的に夢を追いかける人を応援するシステムを導入しているところも増えており、柔軟にシフト調整や始業時間を調整してくれるなど、並行して働きやすい環境づくりが進んでいます。

プライベートな時間を充実させることは自分自身を充実させることにもつながり、結果仕事にも打ち込むことができるようになります。
ワークライフバランスを整えることは、快適な生活を維持していくうえでも大切なことなのでしょう。
だからこそタクシードライバーは若者から人気の職業となっているのかもしれません。